木星に小惑星がまた衝突?

2010年6月3日、オーストラリアのアマチュア天文家アンソニー・ウェズリー(Anthony Wesley)氏が木星の表面で何かが2秒間に渡って発光するのをカメラで捉えました。同時刻、フィリピンの観測家クリストファー・ゴー(Christopher Go)氏も同じ現象を捉え、この現象がウェズリー氏のカメラの中ではなく木星で起きていることが確認されました。どうやらこれは木星に小さな天体が衝突した瞬間だったようです。

Image Credit: Anthony Wesley (Cited from web)

これがアンソニー・ウェスリー氏が撮影した木星表面の発光現象。左上に小さく光っている光点がそれです。たしかに明らかに表面の模様とは違うものが写っています。

さて、このニュース、肝は「また」というところ。木星に小惑星が衝突するのが観測されたのはこれで3回目。最初の観測は1995年のこと。シューメーカーレヴィ9彗星が木星に衝突しました。当時は数百年とも、数千年に一度ともいわれましたが、昨年2009年に木星に小惑星の衝突痕と思しき黒点があるのが発見されました。そして今回の発光現象の発見です。えー?数百年に一度じゃなかったの?

シューメーカー・レヴィ9彗星

はじめて木星に衝突したことが確認されたのは、シューメーカーレヴィ9彗星(Shoemaker-Levy 9)。1993年に発見され、翌年1994年に木星に衝突しました。発見したのはジーン&キャロライン・シューメーカー夫妻とディヴィッド・レヴィの3人。シューメーカーレヴィ9彗星は太陽ではなく木星を2年周期で巡る彗星でしたが、発見後の軌道計算の結果1994年に木星に衝突することが分かり大騒ぎになりました。1994年7月に実際に木星大気に落下。世界中の天文台やハッブル宇宙望遠鏡、木星探査機ガリレオなどによる観測が行われました。衝突の瞬間は地球から見てちょうど裏側だったために見えませんでしたが、木星の地平線越しの光や巨大な衝突痕、爆発に伴うキノコ雲などが観測されています。

Image Credit: NASA/JPL (Public Domain)

木星探査機『ガリレオ』が捉えた衝突時の閃光。どうやら衝突そのものではなく、衝突の瞬間に生じた光が木星の地平線越しに見えたもののようです。

Image Credit: NASA (Public Domain)

ハッブルによって捉えられた、シューメーカー・レヴィ9彗星の衝突痕。木星の縞模様に沿うように黒い痕が点々とついているのが見えます。シューメーカー・レヴィ9彗星は、複数の破片に分かれて衝突したため、このように表面に連続した跡が残りました。

Image Credit: NASA (Public Domain)

こちらもハッブルが捉えた画像。大気の上層部に衝突の際に生じたキノコ雲と思しき半球状の雲が見えます。

この彗星の発見に関してはちょっと面白いエピソードがあるので紹介しておきましょう。発見者の一人であるジーン・シューメーカー氏は今でこそシューメーカーレヴィ9彗星の発見者として有名ですが、元々はクレーターの研究者の第一人者。NASAで宇宙飛行士としてのトレーニングも受けていて、クレーターの形成に詳しい地質学者としてアポロ計画のクルー候補にもなっていました(健康上の理由から最終候補からは外されています)。

実は、シューメーカー氏は「クレーターは小天体の衝突によるものである」「小惑星が地球に衝突することによって気候の急変動が起きる可能性がある」ということを初めて指摘した研究者の一人。今では当然のように受け入れられていますが、当初は彼のこの説に疑いを抱く研究者も少なくありませんでした。この考えが多くの研究者に受け入れられるようになったのは、彼自身が発見したシューメーカーレヴィ9彗星の木星への衝突によってです。世界中の研究者が惑星に彗星が衝突するのをほぼリアルタイムで目撃し、それが惑星の大気に広汎な影響を及ぼすことを目の当たりにしたんです。つまり彼は、自説を裏付けることになる彗星を、自分で発見してしまったというわけです。すげー!

残念ながら、この画期的な発見のわずか4年後、1997年にジーン・シューメーカー氏は自動車事故で亡くなりました。実は彼の遺灰の一部がNASAの月探査機ルナ・プロスペクターに乗せられて月に送られています。

2009年の天体衝突 ― ウェズリー衝突

さて、シューメーカー・レヴィ彗星の衝突は、当時、数百年から数千年に一度というめったに起きない珍しい出来事だといわれていましたが、15年後の2009年7月、オーストラリアのアマチュア天文家アンソニー・ウェズリー氏が木星に奇妙な黒い斑点を発見しました。

Image Credit: NASA (Public Domain)

ハッブルによって撮影された2009年の衝突の跡。直径500mほどの天体が衝突したことによるもので、衝突痕は大西洋ぐらいサイズとのこと。シューメーカーレヴィ9彗星の衝突痕にそっくりですが、これは彗星によるものではなく小惑星の衝突によるもののようです。この衝突痕にはシューメーカー・レヴィ9彗星の衝突のときに見られた細かいダストが見られなかったとのこと。

ref. Hubble Images Suggest Rogue Asteroid Smacked Jupiter (HubbleSite)

2010年、木星表面の謎の発光現象

そして今回の発見。2010年6月3日、オーストラリアのアマチュア天文家アンソニー・ウェズリー氏、2009年の衝突を発見したのと同一人物、が木星表面で発光現象を目撃し、同じ現象がクリストファー・ゴー氏によっても確認されました。これで3回目。

Video Credit : Anthony Wesley(Cited from web via YouTube )

アンソニー・ウェズリー氏によって2010年6月3日に撮影された衝突の様子。こちらは動画です。左上で2秒間に渡って何かが光っているのが見えます。画面では小さく見えますが、木星のサイズを考えるとかなり大きな爆発が起きているはずです。

専門家による検証の結果は出ていませんが、今回も天体衝突であることはほぼ間違いなさそうです。木星への小天体の衝突がリアルタイムで映像に捕らえられるのは初めてのこと(シューメーカー・レヴィ9彗星の衝突は木星の裏側でした)。

彼らの発見は即座にネットのフォーラムに公開され、案の定話題騒然。惑星の継続的な観測はアマチュア天文家の独壇場(プロの天文学者はあまりこうした継続観測はしません)とはいえ、木星を見ているのは1人や2人じゃありません。ウェズリーさん豪運ですね。

木星は地球を守っている?

ある研究では、直径1.5kmほどの小惑星の木星への衝突は90年~500年に一度ほどの頻度でおきているという試算が出ています。今回観測された2010年の衝突がどれほどのサイズの小天体によって引き起こされたのかはまだ良くわかっていませんが、これほど頻繁に衝突が観測されるということは、木星への天体衝突はこれまで考えられてたよりずっと多いのかもしれません。
ref. Cratering rates in the outer Solar System (ScienceDirect)

実はこの木星への天体衝突、地球に住む我々にとっても他人事ではありません。

ジョージ・ウェザリル(George W. Wetherill)氏は、1994年に、もし太陽系に木星や土星のような巨大惑星がなかったとすると、火星や地球などの内側の惑星に飛来する小天体はずっと多かったかもしれない、とする研究を発表しました。つまり、かなりの数の小天体が木星や土星の巨大な重力によって捉えられたり弾き飛ばされたりして、それ以上内側へ落ちていくことを妨げられているかもしれない、というわけです。もしかすると、木星は我々を小惑星から守る傘なのかもしれません。
ref. Possible consequences of absence of“jupiters”in planetary systems (SpringerLink)

全く反対に、むしろ巨大惑星の存在は地球への隕石の衝突の可能性を増やしている、と考えている天文学者もいます。どうやら、巨大惑星の重力によって軌道を乱される小惑星も少なくないから、一概に守っているとはいえない、ということのようです。上の研究は、地球への隕石衝突は太陽系の最外縁部からやってくる天体によるものとされていた時代の試算です。近年、地球の近くにもけっこうたくさん小天体が漂っていることが分かってきていて、こうした天体の軌道を捻じ曲げることでむしろ木星の存在は脅威になっている可能性がある、とのこと。
ref. Jupiter – friend or foe? I: the asteroids (arXiv)
ref. Jupiter – friend or foe? II: the Centaurs (arXiv)

ジーン・シューメーカー氏が予測したように、これまで地球には幾度となく巨大な隕石が衝突し、そのたびごとに気候の急変が引き起こされてきたと考えられています。こうした衝突がある生物を絶滅に追いやったこともあったでしょうし、逆にライバルを一掃することで別の生物に幸を奏したこともあったかもしれません。どちらにせよ、今我々が見る世界が形作られる上で、小惑星の衝突が大きな役割を果たしていたであろうことは想像に難くありません。そして、木星の存在はその衝突の頻度を左右している可能性があります。

もし、これまで考えられていたより木星への小天体の衝突が頻繁に起きているとすれば、太陽系の形成に関するシナリオを見直さなければならないかもしれません。そして、それは地球の地質学的な歴史を書き換えるかもしれないのです。

Referance

Anthony Wesley Impact on Jupiter, June 3 2010
http://jupiter.samba.org/jupiter/20100603-203129-impact/index.html

YouTube – Asteroid Impact on Jupiter; Anthony Wesley (2010.06.03)
http://www.youtube.com/watch?v=Yo6LHljBKW8

Christopher Go  JUPITER 2010
http://jupiter.cstoneind.com/

Comet Shoemaker-Levy 9 – Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Comet_Shoemaker-Levy_9

Galileo Images of Fragment W Impact (NASA/JPL)
http://www2.jpl.nasa.gov/sl9/image237.html

HubbleSite – NewsCenter – Hubble Sees Comet Fireball on Limb of Jupiter (07/17/1994)
http://hubblesite.org/newscenter/archive/releases/1994/30/

HubbleSite – NewsCenter – Color Hubble Image of Multiple Comet Impacts on Jupiter (07/22/1994)
http://hubblesite.org/newscenter/archive/releases/1994/1994/34/

“Asteroids: Deadly Impact” National Geoglaphic 1997 (邦題:『衝突!彗星と小惑星』)

USGS Astrogeology: Eugene M. Shoemaker
http://astrogeology.usgs.gov/About/People/GeneShoemaker/

2009 Jupiter impact event – Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/2009_Jupiter_impact_event

HubbleSite – NewsCenter – Hubble Images Suggest Rogue Asteroid Smacked Jupiter (06/03/2010)
http://hubblesite.org/newscenter/archive/releases/2010/16/full/

A. Sánchez-Lavega. et al. “The impact of a large object with Jupiter in July 2009” arXiv:1005.2312v1 [astro-ph.EP] 2010
http://arxiv.org/abs/1005.2312

HubbleSite – NewsCenter – Hubble Captures Rare Jupiter Collision (07/24/2009)
http://hubblesite.org/newscenter/archive/releases/2009/23/

ScienceDirect – Icarus : Cratering rates in the outer Solar System
http://dx.doi.org/10.1016/S0019-1035(03)00048-4

George W. Wetherill “Possible consequences of absence of“jupiters”in planetary systems ”  Astrophysics and Space Science (via SpringerLink)
http://www.springerlink.com/content/n101761085801516/

J. Horner, B. W. Jones “Jupiter – friend or foe? I: the asteroids” arXiv:0806.2795v3 [astro-ph] 2008
http://arxiv.org/abs/0806.2795

Jonti Horner, Barrie W Jones “Jupiter – friend or foe? II: the Centaurs” arXiv:0903.3305v1 [astro-ph.EP] 2009
http://arxiv.org/abs/0903.3305

人工的に合成したゲノムから、バクテリアを作り出すことに成功

2010年5月20日発行の『サイエンス』に、アメリカのクレイグ・ヴェンター研究所(J. Craig Venter Institute)に所属するハミルトン・O・スミス博士(Hamilton O. Smith, M.D.)率いる研究チームが、人工的に合成したゲノムから完全なバクテリアを作り出すことに成功した、という論文が掲載されました。おおお!

ref. Creation of a Bacterial Cell Controlled by a Chemically Synthesized Genome (Science)

Credit: J. Craig Venter Institute (Cited from JCVI)

これが今回、人工的に作られたバクテリアのコロニー(着色されています)。コロニーが形成されているということはこのバクテリアが普通の細胞と同じように増殖していることを示しています。

論文のタイトルは控えめな表現ですが、研究所のニュースリリースには、しっかり「人工バクテリア/人工細胞 (Synthetic Bacterial Cell)」という言葉が使われています。人・工・細・胞!なんという心躍る響き。なんとなく、古きよきマッドサイエンスの香りのする言葉ですねえ。

ref. PRESS RELEASE: First Self-Replicating, Synthetic Bacterial Cell Constructed by J. Craig Venter Institute Researchers (JCVI)

ゲノム、というのは生物の持つ全遺伝子情報のこと。親から子へ受け継がれる遺伝子ワンセットのことです。つまり、バクテリアを作るのに必要な全ての遺伝子情報を人工的に合成して、その遺伝子情報からほんとにバクテリアを作り出すことに成功した、ということです。

具体的には、コンピューター上のデジタルデータを元にゲノムの切れ端を化学的に合成、それを何段階も経て全てつなぎ合わせて一本のゲノムとし、それを染色体を取り除いた別のバクテリアの核の中に入れて新しいバクテリアを作ったとのこと。

しかも、その人工ゲノムには遺伝子情報の中に「透かし(water mark)」が埋め込んであって、作られたバクテリアはその透かしを含めてちゃんと増殖することが確認されています。すげえ!

ちなみに、透かしには関係者46人の名前、引用句が3つ、そしてWebからメールを送れるフォームのURLがDNAの配列にコード化されて入っているとのこと。暗号が解けたらそのメールフォームから連絡を、ということだそうな。ちなみに、引用というのは以下の三つ。

“TO LIVE, TO ERR, TO FALL, TO TRIUMPH, TO RECREATE LIFE OUT OF LIFE.” – JAMES JOYCE

“SEE THINGS NOT AS THEY ARE, BUT AS THEY MIGHT BE.” – A quote from the book, “American Prometheus”

“WHAT I CANNOT BUILD, I CANNOT UNDERSTAND.”  – RICHARD FEYNMAN

うーん、なんだかちょっとやりすぎ、という気もしないでもないですねえ。

遺伝子組み換え技術との違いは?

既存の生命の遺伝子を改変して新たな機能や特徴を持った生物を作り出す、ということはすでに当たり前のように行われています。スーパーに行けば「遺伝子組み換え植物を含まない」というラベルを当たり前のように目にしますよね(これだって、考えてみれば凄いことですが)。でも、この遺伝子組み換えは、既存の生物の遺伝子を直接操作して行われるもの。たとえば、ある生物の遺伝子を特定の場所で切り離し、別の生物の遺伝子をつなぎ合わせることで新しい遺伝子を作ります。パッチワークみたいなものですね。

一方今回の研究では、ゲノムそのものがコンピューター上のデータ化された遺伝情報から人工的に合成されました。言ってみれば、コンピューター上でゲノムをデザインし、そのデザインどおりに生命を作り出すことを可能にする技術が生まれた、ということです。上の例で言えば、一から布を織る方法が発見された、ということになるでしょうか。

元になったゲノムが既存のバクテリアのほぼコピーだったり、増殖に別のバクテリアを使っていたりするので、厳密に言えば人工生命の誕生とはいえないかもしれませんが、それでもかなりそれに近い技術であることは確かでしょう。どうやらすぐさま応用が可能、というものではないようですが、遺伝子工学の新しい扉を開く画期的な成果であるのは事実です。

今度こそほんとの人工細胞

実は、今回の発表を行ったクレイグ・ヴェンター研究所の研究チームは、ずいぶん前からこの人工ゲノムによるバクテリアの製作を目標に次々と要素技術をクリアしていました。その意味では、この発表は青天の霹靂でもなんでもなく、いつ可能になるかだけが問題だったともいえます。

彼のチームは、まずあるバクテリアAからゲノムだけを取り出し、別の種類のバクテリアBに注入して、Aの特徴を持ったバクテリアをBの細胞から作り出すことに成功しました。これが2007年。翌年2008年にはフルサイズのゲノムを合成する方法を開発しました。それまでは、ゲノムの一部しか合成できなかったんですが、これらをフルサイズのゲノムまでつなぎ合わせる技術を開発したんです。この2つの技術を組み合わせれば、今回の「人工ゲノムによるバクテリアの作成」が可能になります。

この間、クレイグ・ヴェンター研究所からなにか研究発表があるらしいという噂が流れる度に、すわ人工細胞が完成か?という憶測が飛び交っていました。2008年の発表の時にも、人工生命誕生は時間の問題、なんていう見出しがネットニュースに躍っていました。それから2年、とうとう本当に「人工細胞」の作成に成功したというわけです。

クレイグ・ヴェンター研究所

クレイグ・ヴェンター研究所の創業者、クレイグ・ヴェンター氏は、ヒトゲノムの解析競争で一躍有名になった、セレラジェノミクス社の初代CEO。当時、人の遺伝子情報を一企業が独占して商品として販売する、ということに対するアカデミックな世界からの猛反発がありましたが、その渦中にいた人です(彼の自伝を読むとたぶんに誤解もあるようですが…)。今や、遺伝子関連技術に関して企業利益が優先されることは半ば当たり前になりましたが、その先鞭をつけた人物ともいえるかもしれません。彼の先見性を評価する声は大きいですが、同時に彼の商業主義的な面とちょっと強引なやり方に反感を持つ人も少なくありません。

彼は、セレラジェノミクスを辞した後、自らの研究所であるクレイグヴェンター研究所を設立しました。この研究所は分子生物学の応用面を扱う非営利の研究所。最近はバイオ燃料を効率よく作り出すバクテリアの研究に力を入れているようです。今回の人工細胞の研究もその一連の研究の中から生まれたものとのこと。

確かに凄い研究だけど…

この研究、素人目に見ても実用化すればとんでもなく応用範囲の広い技術です。生物の全ゲノムを読み取ることは、今やごく当たり前の技術になりました。それを利用して、たとえば絶滅してしまった生物のゲノムを推測してコンピューター上に再現する、なんてことも行われています。将来的には、そうしたデータを使って、絶滅してしまった生物や全く新しい生物を作り出せるようになるかもしれません。クレイグ・ヴェンター研究所でも、新薬の研究やバイオ燃料の製造なんかに利用しようと考えているようです。

この発表以来、当然ながら倫理的な側面での懸念が多数寄せられました。神の領域に踏み込む行為だという信条的なものから、バイオテロに使われるのではないか、あるいは意図しない改変が行われる可能性があるのではないか、といった実質的な危険性を指摘するものまで様々。議会も人工的にゲノムを作り出す研究に対して何らかのガイドラインを設けることを検討し始めているようです。

ref. Congress Considers Synthetic Biology Risks, Benefits (ScienceInsider)

ただ逆に言えば、そうした悪用や意図せぬ影響を防ぐ意味でも、この技術によって可能になるコントロールが有効だということも念頭においておくべきかもしれません。こうしたゲノムをプログラミングする技術が進めば、パンデミックやアウトブレイクに対してピンポイントでワクチンなどを製造することが可能になります。バイオテロなどに対抗する手段としても有効でしょう。これまでの遺伝子組み換えよりも遥かに精度が高いわけですから、意図せぬ改変もむしろ減らすことが出来るかもしれません。

でも、コンピューターウィルスみたいに、本物のウィルスとアンチウィルスが日々生み出されて争っている世界、というのはあんまり想像したくないですねえ。

Reference

Creation of a Bacterial Cell Controlled by a Chemically Synthesized Genome — Gibson et al., 10.1126/science.1190719 — Science
http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/science.1190719

JCVI: PRESS RELEASE: First Self-Replicating, Synthetic Bacterial Cell Constructed by J. Craig Venter Institute Researchers
http://www.jcvi.org/cms/press/press-releases/full-text/article/first-self-replicating-synthetic-bacterial-cell-constructed-by-j-craig-venter-institute-researcher/

JCVI: Research / Projects / First Self-Replicating Synthetic Bacterial Cell / Overview
http://www.jcvi.org/cms/research/projects/first-self-replicating-synthetic-bacterial-cell/overview/

Synthetic Genome Brings New Life to Bacterium — Pennisi 328 (5981): 958 — Science
http://www.sciencemag.org/cgi/content/full/328/5981/958

Synthetic Biology Breakthrough: Your Questions Answered – ScienceNOW
http://news.sciencemag.org/sciencenow/2010/05/synthetic-biology-answers.html

Congress Considers Synthetic Biology Risks, Benefits – ScienceInsider
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2010/05/congress-considers-synthetic-bio.html